社長メッセージ

 現在、地球環境は、温暖化や生態系システムの劣化、資源の浪費などによる危機に面しており、低炭素社会、自然共生社会、循環型社会を構築することにより『持続可能な社会の実現』が求められています。

 当社グループの主力事業である紙の生産には森林資源が不可欠です。当社グループは、地球環境の維持・向上に取り組むとともに、森林資源の保全と有効利用、環境に配慮した新技術・新製品の開発などを積極的に推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

カーボンニュートラルの達成により持続可能な社会の実現に貢献します

 世界各地で発生する異常気象などの気候変動問題が顕在化したことにより「温室効果ガス排出量削減」が注目されるようになりました。日本においては2050年のカーボンニュートラル宣言に向けて、脱炭素化社会の構築に向けた取り組みを進めているところです。

 当社グループでは、気候変動対応を重要課題の一つとしてとらえており、2030年までに目指す姿を「ビジョン2030」として掲げ、製造工程における化石燃料由来のCO₂排出量を2013年度比で50%削減する環境目標を定めております。また2024年3月にはGXリーグに参画、2050年度までに「製造工程における化石燃料由来CO₂の100%削減」を目標とするカーボンニュートラルに向けたロードマップを策定し、従来から取り組んでいる省エネ推進に加え、ボイラー燃料として使用している化石燃料の使用量削減、低炭素燃料への転換やCO₂フリー燃料の専焼化の模索、南九州地区を中心とした植林事業などの施策を進めており、一日でも早いカーボンニュートラルの実現に向けてグリーン・トランスフォーメンションの取組みを実践してまいります。

本業を通じた生物多様性保全の取り組みを推進します

 当社グループは、天然林の保護と確保を目的に植林事業はもとより、社有林の活用、竹材など非木材原料のパルプ化の取り組みを推進しています。

 適切な森林・竹林の管理や竹林に隣接する森林や里山の保全再生、生物多様性の保全を目的に、森林に放置されていた間伐材や、廃棄竹を原料として積極的に利用しております。

 また、社有林は、「中パの森」として一般の方にも開放しており、特に富山県の「中パの森 高岡」は、生物多様性の大切さを学ぶための自然体験学習会の開催の取り組みや、地域の方々が気軽に自然の恵みを感じることができる場所になっていることが評価され、生物多様性保全が図られている区域として環境省の「自然共生サイト」に認定されています。

資源循環型素材「紙」の新しい可能性を創造します

 カーボンニュートラル社会の実現に向けて多くの素材がその在り方を見つめ直す時代が到来しています。当社グループは「紙」の可能性を具現化していくことが使命であると考え、「竹紙」、「里山物語」などの環境配慮製品の他、「セルロース・ナノファイバー(CNF)」を始めとする環境配慮型素材、これらに加えて紙の可能性を追求した新たな製品を展開していくことを目指しています。


 当社グループは、すべてのステークホルダーの皆さまから『愛され信頼される企業』を目指し、これからも社会的責任を果たした事業活動を展開してまいります。

代表取締役社長 福本 亮治